参照
残念ながら、一部のFRM2とFRM3モジュール(2007〜2013年前後に製造されたもの)には、稀にファームウェアにエラーが発生するものがあります。FRMのコーディング中にアプリに以下のメッセージが表示される場合、アプリがFRMの重大なエラーを検知したということになります。
「CarlyによってFRMに深刻なエラーが検知されたため、FRMのコーディングが中断されました。」
この場合、アプリではFRMをコーディングできません。
アプリでFRMのコーディングが中断されない場合、FRMが全く反応していません。この場合、車内外の照明、ウインカー、窓やミラーの制御装置が完全に故障してしまいます。反応しないFRM(「完全に故障した」FRM)の修理には、費用が数百ユーロかかり、数日を要します。
どんなFRMが故障するのか:
残念ながら、一部のFRM2とFRM3モジュール(2007〜2013年前後に製造されたもの)には、稀にファームウェアにエラーが発生するものがあります。アプリでは、こうした特有のエラーに対応してECUのファームウエアを点検し、必要に応じてこうしたモジュールのコーディングを中断します。こうした場合、FRMをコーディングしようとすると、アプリに以下のメッセージが表示されます。
「CarlyによってFRMに深刻なエラーが検知されたため、FRMのコーディングが中断されました。」
FRM2かFRM3のモジュールを装備しているのは、以下のモデルのみとなります。
1シリーズ(E8x)、2007年以降
3シリーズ(E9x)、2007年以降
X1 (E84)、製造年は問わず
X5 (E7x)、製造年は問わず
X6 (E7x)、製造年は問わず
Z4 (E89)、製造年は問わず
Mini (R55以降)、製造年は問わず
稀に、旧式のモデルにもFRM2かFRM3が搭載されていることがあります。その場合、FRM2かFRM3が改造されている可能性があります。
アプリを使ってお客様のお車で以下のコーディングができる場合、お客様のお車にはFRM2かFRM3が搭載されています。
ウェルカムライト(KEY1)
ウェルカムライト(KEY2)
ウェルカムライト(KEY3)
ウェルカムライト(KEY4)
反応しないFRMによる影響:
アプリでコーディングが中断されない場合、フットウェルモジュール(FRM)が反応していません。この場合、お車に次のような影響が出ます。
車内照明の完全な故障
窓制御装置の完全な故障
ミラー制御装置の完全な故障
ウインカーの完全な故障
ハイビームや点滅機の完全な故障
ウェルカムライトの完全な故障
アダプティブ・コーナリングライトの完全な故障(装備している場合)
車両の修理:
FRMが反応しなくなってしまった場合に車両を修理する方法は、大きく分けて2通りあります。
1.FRMの交換: 中古のFRMは、約150〜300ユーロです(モジュールのバリエーションによって変動します)。モジュールをご自分で置換すると、おおよそ1〜2時間かかります。新型のFRMは、初期化して車両に適合させる必要があるため、熟練の修理工でなければ取り付けられません。FRMの交換には1〜2日を要し、その費用は、新型のFRM本体の購入費用とあわせると、350〜700ユーロとなりますが、この金額は修理工やFRMのバリエーションによって変動します。
2.PCによるFRMの復元: 復元したモジュールの取り外し、復元、再インストールには、2〜3時間ほどかかります。ただし、専用のハードウエアとソフトウエアが必要になります。
FRMのエラー原因:
極めて特殊なファームウエアを搭載したFRM2とFRM3には、数年使用するとブートセクターにエラーを起こしてしまうモジュールがあります。その結果、一度完全に停止してしまうとFRMが再起動できなくなってしまいます。ただし、新しいコーディングを読み込むには、コーディング後にFRMを再起動する必要があります。再起動が行われない場合は、新規コーディングしたオプションがFRMで読み込まれません。
BMW用Carlyでは、ブートセクターを点検(読み込みのみ)してコーディング前のFRM内で他のパラメーターを閲覧できます。アプリでは、このブートセクターへの書き込みができません。こうした理由もあり、アプリでこのブートセクターを復元できないのです。アプリでは、あくまでもこのブートセクターを検討し、その後このモジュールのコーディングを続行しても問題ないか否かが判断されるに過ぎません。
FRMではエラーの判断ができないため、こうしたエラーのエラーメモリーにエラー内容が保存されることはありません。よって、一見エラーのないFRMが重大なエラーの影響を受ける可能性があります。FRMのモジュール自体がエラーを起こすことから、同じエラーがPCによるコーディング中に発生する可能性もあります。
エラー原因の特定までの経緯
特定にあたり、ECUの開発者と密に連携し、ECUの開発について多くを学びました。その間は一貫して、スイスやアメリカの企業数社やドイツ人の専門家を大勢集めて、FRMを分析できるよう支援していただきました。
当社はその時期を機に、助言に従いつつ、数千ユーロを投資して中古のFRMを多数購入しました。ECUの開発にあたり特殊な機器を用いて、コンピュータで各モジュール(ブートセクターを含む)の完全なバックアップを取り、起動できなくなるまでモジュールのコーディングを進めました。こうして、FRMが故障するタイミングを正確に把握し、高度なFRMの検査機能をアプリに組み込むことができました。他のどのアプリやプログラムも、これほど広範囲かつ特有のコーディング検査はできません。
深刻と分類されたFRMでもどうにかしてコーディングできますか?
アプリでFRMが「深刻」と分類された場合、今後何度かコーディングするうちにFRMが故障する可能性が非常に高いということになります。深刻と分類されたFRMは、プログラムやデバイスに関わらず、コーディングしないことを強くおすすめします。他のモジュールであればコーディングできる余地はまだありますが、こうした警告はFRMにのみ当てはまります。
どんな警告も無視してFRMをコーディングしたい場合は、コーディング中に4桁のロック解除コードを入力できます。ロック解除コードは、警告文の下部に記載してあります(警告文を下にスクロールする必要があります)。
コーディング前にこのロック解除コードを入力すると、どんな警告を受けていようと、自己責任になりますが、アプリでFRMをコーディングできるようになります。